皆様ご無沙汰しております。約1カ月以上ブログ更新をしておりませんでした。以前の記事で次回は令和3年度の問題解説をすると言い残し早1カ月経ちました。現在、本職もそこそこ忙しいですが土木施工管理技士の経験記述添削の仕事が舞い込んできており、多忙を極めております。
さて、今回から技術士二次試験(建設部門)の問題解説を行っていきます。その前に、この記事をご覧いただくに当たり、注意頂きたい点がございます。
私は技術士(建設部門)施工計画、施工設備及び積算科目の技術士であるため、他の科目の受験生の方に参考にならない点もあるかと思いますが、その点ご理解頂き解説をご覧下さい。
解説内容は私独自の見解であるため、正解とは限りません。
試験の特性上、正解は1つではない点をご理解いただいたうえで
研鑽の参考にしてください。
今回はまず、Ⅰ-2問題の解説から行います。今年度の必須科目ではⅠ-1よりⅠ-2を選択された方が多いのではないでしょうか。循環型社会のテーマまで勉強している方は少ないのではないかという私の勝手な予想です。なんとなく、勉強した中から書けそう!と感じてそちらを選択された方が多い印象です。それでは解説に入っていきたいと思います。
1.問題文
今年度の試験でもやはり激甚化・頻発化する災害が出題されましたね。多くの方がこのテーマを勉強されていたかと思いますが、前年度から少し問われ方が変わっている部分もありますのでその点を含めて注意すべきポイント等で説明していきます。
昨年度の設問仕方とほとんどかわっていませんね。しっかりとこのテーマについて勉強されていた方は答えやすかったのではないでしょうか?
2.問題文から注意すべきポイント
今回の問題で注意すべきポイントは1点です。
(1)災害が激甚化・頻発化する中で、風水害による被害を,新たな取組を加えた幅広い対策により防止又は軽減するために、という内容を前提にすることです。
この前提条件を理解して解答を作成しないと、書いていくうちにどんどんずれた文章になっていきます。新たな取り組みを加えた幅広い対策をまずは思い浮かべてみてください。国土交通白書の中にも記述がありますので是非読んでいただくことをお勧めします。
リンク:国土交通白書2021 第2章 第2節 災害がリスクの増大や老朽化インフラの増加
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r02/hakusho/r03/pdf/np102200.pdf
多くの方が間違えている内容は、維持管理で記述してしまうことです。維持管理の内容も間違いではないですが、老朽化などを織り交ぜながら展開すると題意とずれます。課題の抽出の段階で明確に新たな取組が読み取れ、そこから維持管理の内容に展開できるのであれば良いです!
3.私が考える骨子(案)
私が考える骨子は次のとおりです。あくまで私が考えるものであり正解ではありませんので、今後の勉強の参考にしていただければ幸いです。また、解答は何通りもあり、これが全てではありませんので、その点もご理解いただいたうえで参考にしてください。
(1)災害防止・軽減のための課題
1)ソフト対策の拡充
2)災害リスクの高い地域の対策
3)インフラの維持管理・更新の効率化
(2)ソフト対策の拡充のための解決策
1)防災情報発信
2)災害危険エリアへの抑制
3)迅速な復旧・支援体制の確保
(3)新たなリスクと対応策
リスク:情報弱者への伝達方法
対応策:プル、ブロードキャスト、プッシュ型の情報伝達方法を併用
外国人への情報発信方法の工夫
(4)要件および留意点
今回のテーマは比較的書きやすい内容であったと思います。防災のテーマに関するネタは生産性の向上と同じくらい多いです。
4.回答する上でのポイント
解答を記述する際に設問で問われていることを忘れてしまい、記述したあとにそれに気づくことも少なくありません。各設問毎に注意点を下記しますので参考にしてください。
(1)観点を明記する
⇒明確にわかるように〇〇の観点から〇〇が課題であると記述するようにしましょう。
(2)解決策は共通するリスクを念頭に
⇒(3)のリスクを意識して構成しましょう。共通するリスクにならないケースが多いです。
(3)専門技術を忘れずに
⇒専門技術を踏まえていない方が多いです。必ず専門技術を念頭に解答しましょう。
(4)留意点も記述する
⇒昨年度の試験では要件だけだが、今年は留意点も問われているのでしっかりと記述する。
5.さいごに
防災・減災のテーマは高確率で出題されています。繰り返しになりますがこのテーマにおける記述ネタは非常に多いのでしっかりと事前に勉強していれば書ける内容です。事前の勉強では1つ論文だけでなく、少し問われ方を変えた形でいくつか作成してみてください。また、当テーマは維持管理更新と似ている部分もありますので、どちらのテーマにも対応できるような勉強方法も有効です。
来年度の試験までまだ時間はあります。受験される方はこれから長い闘いになると思いますが、決して諦めないで頑張りましょう!
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