技術士第二次試験 口頭試験に向けての最低限

技術士二次試験
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 皆様こんにちは。先月技術士第二次試験 筆記試験の合格発表がありました。受験された皆様の結果はいかがでしょうか。合格した方、不合格であった方様々かと思います。

 合格した方、おめでとうございます! これから最も過酷な口頭試験が始まります。人生を掛ける意気込みで頑張ってください。

 不合格だった方、残念ですが来年度に向けて準備を進めていきましょう。諦めなければ必ず合格できます!

 さて、本日は技術士第二次試験、口頭試験を控えている方に向けた記事を書こうと思います。特に今回口頭試験の受験が初めてという方に読んで頂きたいです。既に技術士の方や口頭試験の受験経験がある方には参考になる部分が少ないと思います。その点ご了承ください。試験を控えている方はぜひ参考にしていただければ幸いです。尚、私の口頭試験の思い出を過去の記事で紹介しておりますので、ぜひご覧ください。記事の投稿が遅く既に口頭試験は始まってしまっていますが、今後受験される方や来年度受験される方の参考になればと思います。

1.業務経歴の深堀り

 まず作成して欲しいものは、申込書に記入した実務経験証明書の5つの経歴の詳細概要版を作成しましょう。業務経歴の詳細は皆さんウエイトと高く置いてしまい、他の業務経歴の勉強を疎かにしがちです。申込書に書いたすべての経歴が技術士に相応しい業務であるという認識を試験官は持って質問してきます。私も実際に5つの経歴の中で最も技術士に相応しい業務の内容を説明してくださいと質問を受けています。必ず、次の項目について表にまとめましょう。簡単にまとめることは最低限です。時間に余裕がある方は業務経歴の詳細と同等の試案を作成し覚えるようにしてください。

【業務経歴の詳細以外の業務経歴をまとめる際の項目】

(1)業務概要

(2)課題・問題点

(3)解決策

(4)評価

(5)コンピテンシーに沿った解答(コミュニケーション、リーダーシップ、マネジメント、評価)

各項目、簡潔に答えられるよう2~3行程度(50~70文字程度)でまとめると良いです。または、3分程度でまとめた文章を作成するのも良いです。

2.業務経歴の詳細

 詳細業務ではコンピテンシーにかかわる事項は必ず抑えてください。口頭試験ではこの部分を深掘りされる方が非常に多いため、よく勉強されている方が多いです。最低限やって欲しい事としては、この業務経歴の詳細の中で、コンピテンシーに関わる解答は必ず準備しておきましょう。例えば、「この業務でリーダーシップを発揮した部分はどこですか?」に答えられるような内容です。

 また、当業務で技術的に解決した際の根拠は必ず説明できるようにしておいてください。咄嗟に聞かれた際に慌ててしまい忘れてしまうこともあります。事前にしっかりと根拠の文献、文献の発行年を何度も復唱していつでも答えられるようにしておいてください。

これは最低限の勉強です!時間がある方は業務の概要を1分、3分、5分説明バージョンを作成し、技術の応用や根拠をわかりやすく説明できる回答試案を作成しましょう。口頭試験勉強に終わりはありません。

3.技術者倫理

(1)技術士の定義

(2)3義務・2責務

(3)技術士倫理綱領

(4)過去の不正事例

 試験制度変更後はあまり問われることはないと思いますが、技術士の定義、3義務・2責務は必ず覚えてください。そして、技術者倫理綱領の中身は完全に覚えなくて良いですが、必ず目を通して理解することが重要です。単純な暗記では技術士としての解答はできませんのでその点に留意してください。下記にリンクを添付しておきますので確認してみてください。
 技術者倫理綱領
 そして、過去の不正事例を必ず1例把握しておきましょう。古すぎる事例ではなく2~3年以内の事例が良いです。情報誌や新聞などから情報を入手しておきましょう。

不正事例のみではなく、自分自身がどう思うか、実際にその立場であればどう対応するか、不正が発生した原因を自身で考察し、その考えを簡潔に答えられるようにしてください!

4.継続研さん

(1)最新技術を最低1つは覚える

(2)直近で参加した研修やHP閲覧などから最低1つは情報を得る(制度や法律)

 最新技術で興味を持ったことを必ず覚えておきましょう。「普段からどのように研さんされていますか?」というようなストレートな質問もありますので、普段情報を得ている媒体等を簡潔に答えられるようにしてください。

CPD登録をしている方はCPDの意味や取得している単位を必ず記憶しておいてください。

5.質問、回答試案を準備して反復練習

(1)インプット・アウトプット

(2)模擬口頭試験を最低1回は実施する

 ここからインプットとアウトプットの反復練習です。まず質問と解答は試案を一覧表にまとめてください。それを基にご家族やご友人にお願いをして、質問をしてもらいその解答を声に出すという作業を繰り返しましょう。可能であれば、会社の方に依頼して模擬口頭試験を最低1回は行ってください。社内に技術士がいればその方にお願いしましょう。技術士ではなくても同じ技術士受験生や上司に説明して実施してみてください。誰にもお願いできない方はお金を払ってでも1回は模擬口頭試験を受けてみてください。

私はインプット・アウトプットの反復を妻に毎日寝る前にお願いして実施しました。毎日やっていると口が覚えているような感覚になり、緊張状態でも戸惑うことなく解答することができました。周りに協力してくれる方がいない場合は録音機能なども活用してみてください!

家族や友人に協力を依頼して質問⇒回答を繰り返す
 可能であれば会社や家族に依頼して模擬口頭試験を実施する(自分で録音しながらシミュレーションも可)

6.試験日前日に試験会場周辺のホテルを予約する

(1)ホテルを予約する(必須)

(2)前日は有給休暇取得を

 前泊は試験会場に歩いて行けるホテルを必ず予約しましょう。自宅から通えるからと言っても油断は禁物です。公共交通機関は100%ではありません。当日に電車が原因で間に合わない場合でも失格になってしまいます。筆記試験まで努力してきたことが水の泡になってしまいますので、確実に会場に迎えるように対策を行っておきましょう。
 有給休暇の取得は必須ではありませんが、取得をオススメ致します。口頭試験を初めて受験される方は受験日が近づくにつれ精神的にもかなり追い込まれる方が多いです。仕事も大切ですが、この試験に合格することがご自身にとって最重要課題となりますので、前日は有給休暇を取得して最後まで勉強してください。日曜日が試験の方でも金曜日はしっかり有給休暇を取得して準備してください。

受験日が近づくにつれ焦りと早く終わってほしい気持ちとこれまで頑張ってきた自分が台無しになるのではないかという不安などいろいろな感情が混じっていた記憶があります。初受験の方でこの資格を是が非でも取得したいという方ほど、精神的に追い込まれる試験です。

7.さいごに

 いかがだったでしょうか。今回記事にさせて頂いた内容は最低限の内容です。もっと色々なことを勉強して万全の状態で口頭試験に臨んで欲しいところではありますが、すべての人が万全にできる訳ではありません。また、口頭試験の情報は広く出回っている訳でもないため、なにをすれば良いかわからない方も多いと思います。記事の内容をすべて行えば合格できる訳ではありません。時間の無い方や勉強の仕方がわからない方が少しでも合格に近づけるようアドバイスをさせて頂きました。他の方のブログや技術士試験の掲示板などから情報を得てご自身で勉強の中身を計画してみてください。

 口頭試験の勉強に終わりはありません。勉強の終わりは口頭試験当日の試験開始前です。それまで研さんを怠らず、最後まで諦めない人が技術士になります。技術士になってからも研さんは終わりません。研さんは非常に重要な技術士のコンピテンシーですので、頑張りましょう。

 この記事を読んで頂いた方が技術士になり、日本の科学技術の発展に共に貢献できることを楽しみにしています。

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